その他の操作
金色の魔法薬で、飲んだ者に幸運をもたらします。調合は複雑で6ヶ月かかります。飲み過ぎは危険で自己過信を引き起こします。組織的な競争事では服用が禁じられています。
基本データ
- 名称
- フェリックス・フェリシス (Felix Felicis)
- 別名
- 幸運の液体 (Liquid Luck)
- 外見
- 金を溶かしたような色
- 表面から楽しげにしぶきが跳ねるが、鍋から一滴もこぼれない
- 効果
- 飲んだ者に幸運をもたらし、すべての企てが成功する
- 副作用
- 大量摂取は毒性が高い
- 調合を間違えると、惨憺たる結果になる
- レベル
- 上級
- 調合期間
- 6ヶ月
- 登場
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
外見
中の魔法薬が、楽しげにピチャピチャ跳ねている。金を溶かしたような色で、表面から金魚が飛び上がるようにしぶきが撥ねているのに、一滴もこぼれてはいなかった。[1]
フェリックス・フェリシスは金を液体にしたような色をしています。大鍋の中では表面が金魚が飛び上がるようにピチャピチャ跳ねるものの、一滴もこぼれないようです。
効果
幸運をもたらす魔法薬
やがて、無限大の可能性が広がるようなうきうきした気分が、ゆっくりと、しかし体中に染み渡った。何でもできそうな気がした。どんなことだって……そして、突然、スラグホーンから記憶を取り出すことが可能に思えた。そればかりか、たやすいことだと……。[2]
フェリックス・フェリシスは飲んだ者に幸運をもたらします。飲むとうきうきした気分になり、自信に満ち溢れ、どんなことでも可能だと思うようになります。一見、目的達成には程遠いようなことをしたくなることもありますが、「幸運の液体」には何を行いたいかがわかっており、確かに目的達成へと導いてくれます。
フェリックス・フェリシスはその性質から、スポーツ競技、試験、選挙のような組織的な競技、競争ごとでは使用が禁止されています。
なお、フェリックス・フェリシスと反対の効果をもたらすものとして、魔法動物のマックルド・マラクローが知られています。
効果の限界
「幸運には幸運の限界があるわ、ハリー。スラグホーンの場合は状況が違うの。あなたにははじめからスラグホーンを説得する能力があったのよ。あなたは、状況をちょっとつねってやる必要があっただけ。でも、強力な魔法を破るには、幸運だけでは足りない。あの薬の残りをむだにしないで![…]」[3]
フェリックス・フェリシスがもたらす幸運には限界があります。ハーマイオニー・グレンジャーが指摘したように、フェリックス・フェリシスは飲んだ者の能力を最大限引き出すことができますが、もともと持っていない能力を生み出すことはできません。
例としては、1997年6月の天文台の塔の戦いの際、ロン、ジニー、ハーマイオニーの3人はフェリックス・フェリシスを飲んでいたので死の呪いをギリギリで交わすことはできました。しかし、ペルー産「インスタント煙幕」の暗闇を破ることはできませんでした。
副作用
フェリックス・フェリシスは飲みすぎると毒性が強く、飲み過ぎは有頂天、無謀さ、危険な自己過信を引き起こします。またこの薬は調合が難しく、調合を間違えた薬は惨憺たる結果を引き起こします。
調合
調合には6ヶ月かかることがわかっています。ホラス・スラグホーン教授は、O.W.L.試験で一定成績を修めた6年生の授業でこの薬を紹介しており、調合は大変難しいと考えられます。
使用例
ハリー・ポッターは6年生のとき、魔法薬の授業でフェリックス・フェリシスを褒美として手に入れました。
ハリーはクィディッチの試合前、フェリックス・フェリシスを混ぜたように見せかけて、その飲み物をロンに渡したことがあります。フェリックス・フェリシスを飲んだと思いこんだロンは、目の醒めるような活躍を見せました。(当然、クィディッチでフェリックス・フェリシスを使うことは禁じられています。)
ハリーは授業で手に入れたフェリックス・フェリシスを、ホラス・スラグホーンから本物の記憶(スラグホーンがヴォルデモートに分霊箱について教えた記憶)を手に入れるのに使用しました。
また、ハリーはヴォルデモートの分霊箱を探しにダンブルドアと出かけた夜、万一に備えて、ロン、ジニー、ハーマイオニーにフェリックス・フェリシスの残りを渡しました。
語源
"Felix"はラテン語で「運」や「幸せな」を意味します。"Felicis"は"Felix"の属格です。"Felix Felicis"で「幸運」や「幸運の幸運」を意味します。